相続で「解約が必要なもの」一覧|カード・サブスク・新聞・見守りサービス

解約手続きを急ぐべき理由:放置するとどうなるか

相続が発生すると、預貯金・不動産等の「財産の引継ぎ」に注目が集まりがちですが、実は被相続人が契約していた各種サービスの「解約」も同時並行で進める必要があります。

放置した場合のリスクは主に3つあります。①費用が発生し続ける(サブスク・見守りサービス等)、②個人情報が放置される(SNS・メール等)、③解約の期限を過ぎて余分な費用がかかる(年払いサービス等)です。

この記事では、相続時に解約が必要なサービス・契約を種類別に整理し、誰が・どこに・何を持って解約手続きをすればよいかを具体的に解説します。

💡 この記事でわかること:
クレジットカード・サブスク・新聞・見守りサービス・携帯・SNSアカウントまで、解約が必要なもの全種類の手続き方法・注意点と、効率よく解約を進める段取り・チェックシートまで網羅しています。

最初の行動:口座凍結前にやること

解約手続きの前に、最初にやるべき最重要行動があります。

銀行口座が凍結されると引き落としが全て止まります。
被相続人の銀行口座は「銀行が死亡を知った時点」で凍結され、以後の入出金が全て停止します。口座引き落としになっているサービスは引き落とし不能→未払い→強制解約または督促状が届くという流れになります。最悪の場合、未払い請求が相続人に届くことも。
📋 口座凍結前にやるべき2つのこと
① 引き落とし
口座の把握
通帳の引き落とし履歴・クレジットカードの利用明細を確認して、どのサービスが被相続人の口座から引き落とされているかを一覧化する
② 引き落とし
口座の変更
家族が引き続き使いたいサービス(電気・ガス・水道等)は、口座凍結前に相続人の口座に引き落とし先を変更する。変更が間に合わない場合は各社に事情を説明して支払い方法を変更してもらう
「解約するもの」と「継続するもの」を最初に仕分けする:
全てを解約するわけではありません。電気・ガス・水道等は引き続き使用するため「名義変更」が必要なものと、完全に不要になり「解約が必要なもの」を早期に仕分けることで手続きの漏れを防げます。

クレジットカード・デビットカード

クレジットカードは相続人が引き継ぐことができず、原則として解約が必要です。未使用のカードでも放置すると個人情報の漏洩リスクがあります。

💳 クレジットカードの解約手続き 相続人は引き継ぎ不可
手続き先 各カード会社のカスタマーセンター(電話)またはWebフォーム
手続きする人 相続人(代表者でよい)
必要なもの 被相続人のカード番号(カードがあれば)・死亡の事実を証明するもの(死亡診断書または除籍謄本)・電話対応の場合は口頭確認のみの場合もある
確認すべき事項 ① カードに紐づいているサービスの引き落とし一覧を事前に確認する
ポイント残高は解約前に使用または換金できるか確認する
③ 年払いで支払い済みの場合、残期間分の返金があるかを確認する
④ カードを家族カードとして使っていた場合は家族カードも同時に失効する
返金について 死亡後の月から自動更新の年会費が引き落とされている場合は返金交渉が可能なことがある
⚠️ 解約前にカード引き落としの全サービスを移行・解約してください。
カードを解約すると、そのカードで引き落とし設定しているサービスが全て支払い停止→強制解約または督促になります。カードを解約する前に、継続するサービスの支払い方法変更を先に行ってください。

サブスクリプション(動画・音楽・ソフトウェア等)

月額課金のサブスクリプションサービスは、放置すると毎月課金が続きます。被相続人が利用していたサービスを全て把握することが最初のステップです。

よくある定額サービス一覧と解約方法

サービス 解約方法 注意点
Netflix・Disney+
・Amazon Prime等
ログインして設定から解約。ログインパスワードが不明な場合は各社サポートに「会員の死亡」を伝えて対応を依頼 月途中で解約しても当月分は返金されない場合が多い。解約は月末が最も損失が少ない
Spotify・Apple Music
・Amazon Music等
アカウント設定から解約またはカスタマーサポートに連絡 年額プランの場合は残期間分の返金があるか確認を
Microsoft 365
・Adobe Creative等
アカウントサイトから解約。年間契約の場合は中途解約ペナルティがある場合がある ソフトウェアを家族が使っていた場合は利用者名義で再契約が必要
iCloud・Google One等 Apple IDまたはGoogleアカウントから解約 クラウドに保存したデータ(写真・書類等)を事前にバックアップしておく
Kindle Unlimited
・楽天マガジン等
各サービスサイトから解約 購入済みの電子書籍はアカウント消去後にアクセスできなくなることがある
💡 パスワードが不明な場合の対応:
被相続人のスマートフォン・PCにアクセスできる場合は、ブラウザの保存パスワードやパスワード管理アプリを確認してください。アクセスできない場合は各サービスのサポートに「アカウント保有者が死亡した」旨を伝え、本人確認書類を求められる場合は戸籍謄本・相続人であることを示す書類を用意してください。

新聞・定期購読・通販の定期便

紙媒体の定期購読や通販の定期便は、毎月商品が届き続けたり費用が発生し続けたりするため、早めの解約連絡が必要です。

サービス 解約方法 注意点
新聞(朝日・読売・
日経・地方紙等)
各新聞社の配達店(近くの販売店)またはカスタマーセンターに電話で連絡。被相続人が亡くなったことを伝えて解約を申し出る 月途中の解約でも日割り計算で精算してもらえる場合が多い。先払い分の返金がある場合も
NHKデジタル版・
電子新聞等
各サービスのWebまたは電話で解約 クレジットカード払いのものはカード解約前に個別に解約を
通販の定期便
(健康食品・化粧品等)
各通販会社のカスタマーセンターに電話。「会員が死亡したため解約したい」と伝える 次の発送前に連絡しないと次の商品が届いてしまう。着払いで返品対応してくれる場合がある
生協・食材宅配
(Oisix・コープ等)
各生協・事業者に電話で連絡 組合員証・出資金の返還が必要な場合がある(生協の場合)
業界紙・専門誌
の定期購読
各出版社・発行元に電話またはメールで連絡 年払いの場合は残期間分の返金がある場合がある

見守りサービス・緊急通報サービス

高齢者を対象とした見守りサービス・緊急通報サービス・安否確認サービスは、被相続人が亡くなったことで不要になるため速やかに解約が必要です。機器の返却が伴うものも多くあります。

📱 見守り・緊急通報サービスの解約 機器返却が必要な場合あり
サービスの種類 ・電話型見守りサービス(定期連絡・自動安否確認)
・GPS端末を使った居場所確認サービス
・緊急通報ボタン・SOS端末(民間)
・緊急通報サービス(自治体提供のものも含む)
・センサー型見守り(ドア・照明等のセンサーで安否確認)
・宅配・訪問型見守りサービス
解約の手順 ① 各サービス会社のカスタマーセンターに電話
② 死亡の事実を伝えて解約を申し出る
貸与機器がある場合は返却方法の案内を受ける(着払い・訪問回収等)
自治体提供の
緊急通報装置
自治体が無償貸与している機器がある場合は、各自治体の担当窓口(福祉担当課等)に連絡して機器を返却する
注意点 機器を返却しないと機器代金を請求されることがある。特に高額なセンサー機器は要確認

携帯電話・スマートフォン

被相続人の携帯電話・スマートフォンは、解約または家族への名義変更の手続きが必要です。

📱 携帯電話・スマートフォンの解約・名義変更
解約する場合 各キャリアのショップまたはカスタマーセンターに連絡。
必要なもの(目安):被相続人の死亡を証明する書類(除籍謄本・死亡診断書等)・手続きをする相続人の本人確認書類・被相続人の携帯端末またはSIMカード(あれば)
家族が引き継ぐ場合 名義変更(承継)が可能なキャリアと不可のキャリアがある。相続人への名義変更を希望する場合は各キャリアのショップに相談を
端末の中のデータ 解約前に必要なデータ(写真・連絡先・メール等)をバックアップしておく。端末を初期化・返却するとデータが失われる。ロック解除できない場合は各キャリアに相談
格安SIM・
MVNO
IIJmio・楽天モバイル等の格安SIMはWebまたは電話での解約手続き。キャリアと同様に死亡証明書類が必要な場合がある
💡 二段階認証に注意してください:
各種サービスのパスワードリセットに「携帯電話のSMSへの確認コード」が必要な場合があります。携帯を解約する前に、SMS認証が必要なサービスのパスワード変更・アカウント削除を先に済ませることをおすすめします。

インターネット回線・プロバイダ

インターネット回線は、引き続き家族が使用する場合は名義変更、不要な場合は解約が必要です。

手続きの種類 内容・手続き先
解約する場合 プロバイダ・回線会社のカスタマーセンターに連絡。解約月・違約金の有無を事前確認する。光回線の場合は解約工事(立会いが必要なことあり)
名義変更して
継続する場合
多くの回線会社で相続による名義変更が可能。戸籍謄本等の提出が求められることが多い。引き落とし口座の変更も同時に行う
違約金への対応 契約期間内の解約には違約金が発生することがある。「死亡による解約」の場合は違約金が免除されるか各社に確認を
「死亡解約」では違約金免除になる場合があります:
多くの通信事業者では、契約者が死亡した場合の解約については、通常の解約違約金を免除するポリシーをとっています。契約満了前でも違約金なしで解約できる可能性が高いため、必ず事前に確認してください。

NHK受信料

NHK受信料は、世帯単位の契約です。被相続人が契約者で、同居家族が引き続きテレビを所有する場合は名義変更が必要です。解約する場合は解約手続きが必要です。

手続き先:NHKふれあいセンター(電話・Web)またはNHKの営業担当者

解約する場合:被相続人が一人暮らしでテレビを所有していた場合など。電話または郵送で手続き可能

名義変更する場合:同居家族が引き続きテレビを使用する場合は、名義変更のみで継続可能。引き落とし口座の変更も同時に行う

前払い分の返金:年払いで前払いしていた場合は、残期間分の返金があります

必要なもの:被相続人の死亡が確認できる書類(口頭確認のみの場合もある)・契約者番号(NHKからの書類に記載)

各種会費・年会費(同窓会・クラブ・協会等)

見落としがちな「会費」の解約も忘れずに行ってください。

種類 手続き先・方法
同窓会・校友会 各校の同窓会事務局に書面またはメールで死亡の旨を伝えて退会手続きを依頼
スポーツクラブ・
ジム
施設の受付またはカスタマーセンターに電話。死亡を証明できる書類と解約申請。前払い分の返金を確認
業界団体・職能団体
(医師会・弁護士会等)
各団体の事務局に連絡。会員資格は引き継ぎ不可のため退会処理を依頼
趣味のクラブ
(囲碁・将棋・茶道等)
各クラブの代表者・事務局に連絡して退会を伝える
自動車保険・
火災保険等の補助的会費
各保険会社・代理店に連絡。保険の解約・名義変更と合わせて対応

SNS・メール・各種ウェブアカウント

デジタル上のアカウントは財産的価値はないことが多いですが、個人情報保護・なりすまし防止の観点から適切に対応することが重要です。

サービス 手続き方法
X(旧Twitter) アカウントへのログインが可能な場合→設定から削除。不可の場合→X社の「アカウント削除依頼フォーム」に死亡証明書類を添付して申請
Facebook・Instagram 「追悼アカウント」に設定(追悼連絡先を指定していた場合)または削除依頼フォームから申請。遺族であることを証明する書類が必要
LINE LINEは本人以外のアカウント削除申請の公式窓口がない。端末へのアクセスが可能な場合は設定から退会。端末の契約解除(SIM解約)により自然に無効化されることがある
Gmail・Yahoo!メール等 Googleの「非アクティブ アカウント マネージャー」(生前に設定)を利用するか、Googleアカウントヘルプの「故人のアカウントに関するリクエスト」から申請
Amazon Amazonカスタマーサービスに電話またはチャットで連絡。アカウントの削除と残高(Amazonポイント・ギフト券残高)の確認を行う
楽天・Yahoo!ショッピング等 各ECサービスのカスタマーサポートに連絡してアカウント削除を依頼
⚠️ アカウントを放置すると「なりすまし詐欺」のリスクがあります。
故人のSNSアカウントや連絡先情報が悪用され、故人になりすまして知人に詐欺的なメッセージが送られる被害が実際に起きています。早期に削除または追悼アカウントへの切り替えを行ってください。

解約作業のコツ:効率よく進める段取り

解約すべきサービスが多岐にわたる場合、無計画に進めると手間が増えます。以下の順番で進めると効率的です。

通帳・クレジットカード明細から引き落とし一覧を作る 過去3〜6ヶ月の明細を確認して「何が引き落とされているか」を全て書き出す
「継続するもの(名義変更)」と「解約するもの」に仕分ける
口座凍結前に:継続するサービスの引き落とし口座を変更する 電気・ガス・水道・NHK等、家族が使い続けるサービスを優先
クレジットカードに紐づくサービスを全て解約・移行してからカードを解約する カードを先に解約するとサービスが強制停止になるため順番が重要
携帯電話の解約前に:SMS認証が必要なサービスの処理を済ませる
デジタルアカウント(SNS・メール等)の削除・退会申請を行う
解約完了した項目をリストから消し込み、完了を記録しておく

解約一覧チェックシート

以下を印刷またはコピーして活用してください。

カテゴリ サービス・契約名 対応(解約・変更) 完了
クレジットカード (例:〇〇カード) 解約
サブスク(映像) Netflix / Disney+ / 他 解約
サブスク(音楽) Spotify / Apple Music / 他 解約
サブスク(ソフト) Microsoft 365 / Adobe / 他 解約
新聞・定期購読 (例:〇〇新聞) 解約
通販定期便 (例:〇〇健康食品) 解約
見守りサービス (例:〇〇見守りサービス) 解約・機器返却
携帯電話 (例:〇〇キャリア) 解約または名義変更
インターネット回線 (例:〇〇光) 解約または名義変更
NHK受信料 NHK 解約または名義変更
各種会費 (例:スポーツクラブ・同窓会) 解約
SNS・アカウント Facebook / X / LINE / 他 削除・追悼設定
ショッピングサイト Amazon / 楽天 / 他 アカウント削除
クラウドストレージ iCloud / Google One / 他 データ移行後に解約

よくある疑問(Q&A)

Q. サブスクを解約しないまま時間が経ち、クレジットカードも解約していました。費用の請求はどこに来ますか?
クレジットカードが解約されてサービスの引き落としが失敗すると、各サービス会社から未払い通知が相続人の住所(または被相続人の旧住所)に届くことがあります。相続人に支払い義務が生じるケースもあるため、早めに各サービスに連絡して状況を説明・精算してください。
Q. 被相続人がどのサービスに加入しているかわかりません。どう調べますか?
通帳・クレジットカード明細の直近6ヶ月分を確認することが最も確実な方法です。また被相続人のスマートフォンの「設定→App Store/Google Play→定期購読」を確認すると一覧が表示されます。メールの受信トレイに「請求書」「会員登録」等のキーワードで検索する方法も有効です。
Q. 年払いのサービスを解約した場合、残期間分の返金はありますか?
サービスによって異なります。「死亡解約」は通常の中途解約と扱いが異なり、残期間分の返金に応じてくれる事業者もあります。解約の際に「死亡を理由とした解約」である旨を伝えたうえで、返金の可否を確認してください。
Q. 見守りサービスの機器を返却しないとどうなりますか?
貸与機器の場合は返却期限を過ぎると機器代金を請求されることがあります。各社の解約手続き時に「機器の返却方法・期限・返却しない場合の費用」を必ず確認してください。着払いでの返送または業者による回収のいずれかが一般的です。

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