勤務先にやる手続き|死亡退職・最終給与・退職金・弔慰金の請求フロー

結論:勤務先の手続きは、①死亡の連絡(窓口確定)②最終給与③退職金・弔慰金④社保・書類受領の順で進めるとスムーズです。
特に重要なのは、「誰が会社との窓口になるか」と、「最終給与・退職金・弔慰金が“誰に支払われる性質か”」を確認して、相続手続きと混線させないことです。

この記事では、死亡退職のときに勤務先へ行う手続きを、請求フロー必要書類よくある落とし穴まで、実務目線でやさしく整理します。

※退職金規程・弔慰金規程・就業規則により取扱いは変わります。最終判断は勤務先の案内に従ってください。

まず最初に:勤務先の手続きで“早く動くべき理由”

勤務先関連は、早めに動くほど「お金」と「書類」が早く整います。遅れると、遺族年金・未支給年金・健康保険・税金など、他の手続きも連鎖的に遅れます。

早く動くメリット

  • 最終給与・退職金・弔慰金など、生活資金の見通しが立つ
  • 社会保険喪失・源泉徴収票などの書類が早く揃う
  • 会社貸与品や社宅等のトラブルが減る
  • 「誰が窓口か」を早めに決めることで相続人間の混乱が減る

全体フロー:死亡連絡→最終給与→退職金→弔慰金→書類回収

STEP やること ゴール
1 会社へ死亡連絡・窓口確定 担当部署・必要書類・スケジュールが分かる
2 最終給与(未払い賃金)の確定 対象期間・支払日・振込先が確定
3 退職金の有無・規程確認→請求 受取人・金額・支払時期が確定
4 弔慰金・見舞金・死亡一時金の確認→請求 申請漏れ防止
5 会社から必要書類を受領(社保・税・年金関連) 他手続きに繋がる

STEP1:会社へ死亡連絡(誰が、どこへ、何を伝える?)

まずは会社の窓口(人事・総務など)へ連絡し、「今後の手続きの案内を受ける」ことが最優先です。

電話で伝える内容(テンプレ)

  • 亡くなった方の氏名・社員番号(分かれば)・所属
  • 死亡日
  • 連絡者の氏名・続柄・連絡先
  • 今後の窓口担当者(部署・担当名・連絡手段)
  • 最終給与・退職金・弔慰金の手続きと必要書類
  • 会社貸与品(PC・スマホ・社員証等)の返却方法

実務のコツ:相続人が複数でも、会社との連絡窓口は1人に一本化すると手続きが止まりません。

STEP2:最終給与(未払い賃金)の確認ポイント

最終給与は「いつまで働いたか」「締日」「支払日」で決まります。死亡後も、未払い分があれば請求対象になります。

最終給与で確認すること(7項目)

  1. 給与の締日・支払日
  2. 対象期間(最終出勤日〜死亡日までの扱い)
  3. 未払残業代・手当の有無
  4. 通勤費・立替経費の精算(未精算が残っていないか)
  5. 社会保険料・住民税等の控除(どの月まで引かれるか)
  6. 振込口座(故人名義口座の可否/変更方法)
  7. 支払明細の発行(後日の説明用に必須)

注意:口座凍結で故人名義口座に振り込めないケースがあります。会社のルール(遺族口座への振込可否)を早めに確認しましょう。

STEP3:退職金の請求フロー(規程確認が最優先)

退職金は、会社の「退職金規程」や「就業規則」により、受取人・順位・必要書類が決まります。
相続と似ていますが、会社規程で“受取人が指定される”ことがあるため、まず規程確認が最優先です。

退職金請求の基本フロー

  1. 退職金制度の有無を確認(会社支給/退職金共済/企業年金等)
  2. 受取人(遺族)・順位・必要書類を確定
  3. 会社所定の請求書を受領し、必要書類を添付して提出
  4. 審査→支払(時期は会社の締めや理事会決裁等で変わる)
  5. 支払通知・明細を保管(相続税・申告の整理にも有用)

実務のコツ:退職金は「会社→遺族」なのか「会社→相続財産」扱いに近いのかで、必要書類や後の整理が変わります。まず会社に「受取人は誰ですか?」と確認しましょう。

STEP4:弔慰金・見舞金・死亡一時金の確認と請求

弔慰金・見舞金・死亡一時金は、請求しないと案内されないこともあります。必ず“制度の有無”を確認しましょう。

確認すべき給付(代表例)

  • 会社の弔慰金(規程あり)
  • 福利厚生(団体保険・共済)の死亡給付金
  • 労災(業務災害・通勤災害)の可能性がある場合の給付
  • 組合・互助会からの給付

実務のコツ:「弔慰金はありますか?」だけでなく、「団体保険や共済の死亡給付はありますか?」まで聞くと漏れが減ります。

STEP5:社会保険・雇用保険・年金のための「会社から受け取る書類」

勤務先から受け取る書類は、死亡後の手続きの“起点”になります。会社側が発行するまで時間がかかることもあるため、早めに依頼しておくと安心です。

会社から受け取りたい書類(代表例)

  • 源泉徴収票(最終年分)
  • 退職証明・在職証明(必要になる場面あり)
  • 健康保険資格喪失の証明(案内)
  • 給与明細・退職金明細(支払証明)
  • (該当があれば)企業年金・確定拠出年金の手続き案内
  • (該当があれば)労災・共済の書類案内

実務のコツ:年金・税金の手続きで「いつまで在職していたか」を確認されることがあります。日付が分かる書類は保管しておきましょう。

よくある落とし穴:振込口座・税金・相続人が複数・会社貸与品

落とし穴(ここで止まりやすい)

  1. 振込口座:故人口座が凍結し、入金できない → 遺族口座への支払方法を確認
  2. 相続人が複数:会社に複数人が連絡して話が混乱 → 窓口一本化
  3. 税金:退職金等の扱いで書類が必要 → 明細・支払証明を保管
  4. 会社貸与品:PC・スマホの返却が遅れ、個人情報や費用で揉める
  5. 社宅・寮:退去期限・原状回復の費用が発生することがある

できるだけ早く「会社側のチェックリスト」をもらい、期限(返却期限・申請期限)を確認すると、後のトラブルを避けやすいです。

チェックリスト:会社に電話する前に準備すること

  • 亡くなった方の氏名・生年月日・社員番号(分かれば)
  • 所属部署・勤務地(分かれば)
  • 死亡日
  • 連絡者(あなた)の氏名・続柄・連絡先
  • 最終給与の振込先候補(遺族口座)
  • 会社貸与品の有無(PC・スマホ・カードキー等)
  • 退職金制度がありそうな手がかり(就業規則・社内資料)
  • 団体保険・共済の加入の手がかり(給与明細の控除欄)
  • 郵便物の送付先(転送だけに頼らず、会社へ送付先を伝える)

Q&A:会社が遠い/連帯保証がある/相続放棄検討中は?

Q1. 会社が遠方です。手続きは郵送でできますか?

多くの会社は郵送対応が可能です。必要書類の原本提出が必要か、コピーで足りるかは会社の指定に従いましょう。まず窓口担当者を確定するのが近道です。

Q2. 会社の借上社宅や福利厚生ローンなどがありそうです。

社宅の退去期限・精算、社内貸付金の残高などがあると、相殺や精算が発生することがあります。会社へ「会社との金銭関係(貸付・立替・社宅費等)が残っていないか」を確認しましょう。

Q3. 相続放棄を検討しています。最終給与や弔慰金は受け取っていい?

放棄検討中は、受領の扱いが難しくなる場面があります。期限(原則3か月)を最優先にし、勤務先の支払先・性質(誰に帰属するか)を確認した上で、専門家に相談して整合を取りながら進めるのが安全です。

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