公正証書遺言の作り方:必要書類・証人・費用・当日の流れ
「遺言を書きたいけれど、あとで無効になったら困る」「認知症が心配なので、確実な形にしたい」——そんな方に選ばれやすいのが公正証書遺言です。
結論から言うと、公正証書遺言は ①必要書類をそろえる → ②証人2人を手配する → ③公証人と内容を固める → ④当日に読み合わせして署名押印 という流れで進みます。方式(作り方のルール)も法律で定まっていて、安心感が高い点が特徴です。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
安心ポイント
公正証書遺言は、家庭裁判所の検認が不要です。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
(=相続開始後、手続きが止まりにくいことが多いです)
目次
1. 公正証書遺言ってどんな遺言?向いている人は?
公正証書遺言は、公証役場で公証人が関与して作成する遺言です。
法律で定められた方式(作成ルール)に従って、証人2人以上の立会いのもとで作ります。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}
- 向いている 相続人が多い/揉めそう/財産が複雑(不動産・株式など)
- 向いている 認知症の不安があるので、手続を丁寧に残したい
- 向いている 相続開始後に手続が止まらないようにしたい(検認不要) :contentReference[oaicite:3]{index=3}
2. 作成の全体像:準備→事前確認→当日→保管
(最短ルート) Step1:遺言で「誰に何を」渡すか整理(財産メモ作成) Step2:公証役場へ相談(電話→必要書類・進め方確認) Step3:書類集め+証人2人の手配 Step4:公証人と文案のすり合わせ(内容チェック) Step5:当日:口述→読み聞かせ(閲覧)→署名押印 Step6:正本・謄本の受領、原本は公証役場で保管
コツは、当日に詰め込まず、事前に文案(遺言の文章)を固めておくことです。
3. 必要書類:最低限セット+財産別の追加資料
公証役場が案内する「必要書類」は、遺言の内容によって増減します。
ここでは、実務でよく求められる“土台”を、見える化しておきます。 :contentReference[oaicite:4]{index=4}
(1)まずは最低限セット(ここが土台)
| 書類 | 目的 | 補足 |
|---|---|---|
| 本人確認資料 | 遺言者本人の確認 | 印鑑登録証明書(3か月以内)または顔写真付き身分証等で代替できる場合もあります :contentReference[oaicite:5]{index=5} |
| 戸籍(続柄が分かるもの) | 相続人との関係確認 | 甥姪など続柄が複雑な場合は追加の戸籍が必要になりやすいです :contentReference[oaicite:6]{index=6} |
| 受遺者(相続人以外に渡す相手)の住所資料 | 相手の特定 | 住民票や住所が分かる資料。法人なら登記事項証明書等 :contentReference[oaicite:7]{index=7} |
(2)財産別の追加資料(該当するものだけ)
| 財産の種類 | よく必要になる資料 | 理由 |
|---|---|---|
| 不動産 | 登記事項証明書(登記簿)/固定資産評価証明書や課税明細 | 所在・地番等を正確に記載し、財産評価(手数料算定の基礎)にも使います :contentReference[oaicite:8]{index=8} |
| 預貯金 | 通帳・コピー等(金融機関名・支店・口座番号が分かるもの) | 銀行口座を特定するため :contentReference[oaicite:9]{index=9} |
| 有価証券(株・投信等) | 取引報告書・口座情報等 | 証券会社・口座の特定が必要になります |
失敗しないコツ
「全部そろえてから電話」ではなく、先に公証役場へ相談して“自分のケースの必要書類”を確定すると、ムダが減ります。 :contentReference[oaicite:10]{index=10}
4. 証人:誰がなれる?なれない?(欠格の注意)
公正証書遺言には証人2人以上が必要です。 :contentReference[oaicite:11]{index=11}
証人は「立ち会えば終わり」ではなく、遺言者本人であることや意思確認、内容の読み合わせに関与します。 :contentReference[oaicite:12]{index=12}
(1)証人になれない人(欠格)
民法で、遺言の証人になれない人が定められています(代表例)。 :contentReference[oaicite:13]{index=13}
- 不可 未成年者
- 不可 推定相続人(相続人になる予定の人)・受遺者(遺言でもらう人)と、その配偶者・直系血族
- 不可 公証人の配偶者、4親等内の親族、書記、使用人
(2)証人が見つからないとき
友人・知人に頼みにくい場合、公証役場で紹介を受けたり、専門家側で手配できる場合があります(有料になることが多いです)。 :contentReference[oaicite:14]{index=14}
5. 費用:公証人手数料の考え方と、追加でかかるもの
費用は大きく①公証人手数料(公証役場へ)と、②付随費用(証人・出張・書類など)に分かれます。
また、公正証書の手数料は改定が行われることがあり、直近では2025年10月1日施行の改正について案内が出ています。 :contentReference[oaicite:15]{index=15}
(1)公証人手数料:基本は「財産の価額」に応じて
目安として、日本公証人連合会のQ&Aで、目的の価額ごとの手数料表が示されています(一部抜粋)。 :contentReference[oaicite:16]{index=16}
| 目的の価額(例) | 手数料(目安) |
|---|---|
| 200万円超〜500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円超〜5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 49,000円 |
さらに、遺言公正証書では「遺言加算」などが加わることがあります(一定の条件で加算額が示されています)。 :contentReference[oaicite:17]{index=17}
大事な注意
実際の手数料は「誰に・どの財産を・いくつ渡すか(目的の価額の数え方)」で変わります。
正確な見積りは、公証役場に財産メモ(不動産評価・預金額など)を伝えたうえで確認するのが確実です。 :contentReference[oaicite:18]{index=18}
(2)追加でかかりやすい費用
- 証人費用 公証役場紹介や専門家手配の場合の報酬 :contentReference[oaicite:19]{index=19}
- 謄本等 正本・謄本の交付や枚数に応じた加算(用紙枚数の加算等) :contentReference[oaicite:20]{index=20}
- 出張 病気等で出向けない場合、公証人の出張で加算(旅費・日当等) :contentReference[oaicite:21]{index=21}
- 書類取得 戸籍・住民票・評価証明などの取得費
6. 当日の流れ:所要時間・読み合わせ・署名押印
当日は、「本人の意思で作っている」ことを確認できるように、法律上の手順に沿って進みます。代表的な流れは次のとおりです。 :contentReference[oaicite:22]{index=22}
① 証人2人以上が立ち会う ② 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口述(口授) ③ 公証人が内容を筆記 ④ 公証人が読み聞かせ(または閲覧) ⑤ 遺言者・証人が正確性を承認 → 署名押印 ⑥ 公証人が方式に従った旨を付記し署名押印
所要時間は内容の複雑さで変わりますが、事前に文案が固まっていればスムーズになりやすいです。
7. よくあるつまずき:家に来てもらえる?署名できない?
Q1:公証役場に行けません。自宅や病院で作れますか?
遺言者が病気等で公証役場に行けない場合、公証人が出張して作成する扱いがあります(手数料の加算や旅費・日当等が必要になることがあります)。 :contentReference[oaicite:23]{index=23}
Q2:手が震えて署名が難しいのですが…
公正証書遺言の手順では、遺言者が署名できない場合の扱い(公証人が事由を付記して署名に代える等)も想定されています。 :contentReference[oaicite:24]{index=24}
Q3:認知症が心配です。作れなくなる前に何をすべき?
公正証書遺言は、証人の立会いや公証人の関与により、本人確認・意思確認を丁寧に行いやすい仕組みです。 :contentReference[oaicite:25]{index=25}
ただ、判断能力の程度や状況によっては慎重な検討が必要になるため、「今の状態で作成できる見込み」を早めに相談しておくと安心です。
8. まとめ:失敗しないコツは「書類・証人・事前文案」
- 書類 まず公証役場に相談し、あなたのケースの必要書類を確定させる :contentReference[oaicite:26]{index=26}
- 証人 証人は2人。欠格(なれない人)に当たらないよう注意 :contentReference[oaicite:27]{index=27}
- 文案 当日より前に内容を固めておくと、読み合わせがスムーズ :contentReference[oaicite:28]{index=28}
- 費用 手数料は価額と加算で変動。見積りは公証役場で早めに確認 :contentReference[oaicite:29]{index=29}
公正証書遺言は、「あとで困らないための準備」を形にする手段です。
難しく感じる方ほど、先に必要書類の整理と証人の確保だけ進めると、全体が動きやすくなります。
📞 ご相談はこちら
ハートリンクグループでは、 行政書士を中心に税理士などの専門家が連携し、 相続手続き、遺言書作成、成年後見、死後事務などについて 一人ひとりの状況に合わせた相談対応を行っています。
相続専門 ハートリンクグループ
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-3-5 6階605
〒231-0032 神奈川県横浜市中区不老町1-6-9 第一HBビル8階A
☎ 0120-905-336
まずはお気軽にご連絡ください。