【役所・年金・保険の手続き】死亡後すぐに必要な届出と請求まとめ|期限・順序・注意点を専門家が徹底解説
目次
死亡後の届出・請求:全体像と優先順位
大切な方が亡くなった直後、悲しみの中でも多くの届出・手続きが押し寄せます。「何を・いつまでに・どこに届け出ればよいか」を把握することが、混乱を最小限にする第一歩です。
死亡後の行政・保険関係の手続きは大きく「①届出(資格の喪失を知らせる)」と「②請求(お金を受け取る)」の2種類に分かれます。届出を先に行ったうえで、それに伴う給付や請求の手続きへ進むのが基本の流れです。
⏰ 死亡後の届出・請求:期限別早見表
| 7日以内 (法定義務) |
死亡届の提出・火葬許可証の取得 |
|---|---|
| 14日以内 (目安) |
年金受給停止届・健康保険資格喪失届・介護保険資格喪失届・世帯主変更届 |
| できるだけ早く (時効あり) |
未支給年金の請求・葬祭費の申請・死亡保険金の請求 |
| 5年以内 | 未支給年金の請求(時効5年)・遺族厚生年金の請求 |
| 2年以内 | 葬祭費(国保・後期高齢)・高額療養費の還付申請(時効2年) |
✅ 「おくやみ手続きガイド」を最初に入手してください:
多くの市区町村では死亡後の手続きをまとめた「おくやみ手続きガイド」を無料で配布しています。死亡届を出す際に窓口でもらうか、市区町村の公式サイトからダウンロードできます。この冊子に沿って手続きを進めると漏れが大幅に減ります。
多くの市区町村では死亡後の手続きをまとめた「おくやみ手続きガイド」を無料で配布しています。死亡届を出す際に窓口でもらうか、市区町村の公式サイトからダウンロードできます。この冊子に沿って手続きを進めると漏れが大幅に減ります。
【死亡届】7日以内の法定義務
📋 死亡届の基本情報
7日以内・法定義務
| 届出期限 | 死亡の事実を知った日から7日以内(国内死亡の場合)。海外死亡の場合は3か月以内 |
|---|---|
| 届出先 |
次のいずれかの市区町村: ①死亡地の市区町村 ②届出人の所在地の市区町村 ③被相続人の本籍地の市区町村 |
| 届出できる人 | 同居の親族・その他の同居者・家主・地主・後見人・保佐人・補助人等 |
| 必要なもの |
・死亡診断書(死亡届書の右半分):医師が作成 ・届出人の印鑑(認め印でも可、ただし市区町村によって異なる場合あり) ・本人確認書類 |
| 届出後に 入手できるもの |
火葬許可証(これがないと火葬ができない) 火葬後に「埋葬許可証」として使用する |
| 夜間・休日 | 区役所・市役所の守衛室で届出書類を預かってもらえる自治体が多い(火葬許可証は翌開庁日に交付) |
⚠️ 死亡診断書は必ず複数枚コピーを取ってから提出してください。
死亡診断書(死亡届書)の原本は市区町村に提出すると手元に戻りません。しかし生命保険の請求・年金の手続き・相続放棄の申述等で「死亡診断書のコピー」が必要になる場面が多いため、提出前に5〜10枚程度コピーしておくことを強くおすすめします。
死亡診断書(死亡届書)の原本は市区町村に提出すると手元に戻りません。しかし生命保険の請求・年金の手続き・相続放棄の申述等で「死亡診断書のコピー」が必要になる場面が多いため、提出前に5〜10枚程度コピーしておくことを強くおすすめします。
【年金の手続き】受給停止・未支給年金・遺族年金
年金関係の手続きは「止める(受給停止)」と「もらう(未支給年金・遺族年金)」の2種類があります。どちらも漏れなく手続きすることが重要です。
①年金受給停止届(最優先・14日以内)
📋 年金受給停止の手続き
| 届出先 |
年金事務所(または街角の年金相談センター) 国民年金のみの方は市区町村窓口でも可 |
|---|---|
| 期限の目安 | 死亡後14日以内(厳密な法定期限ではないが、早めに届出することが重要) |
| 必要なもの |
・年金証書(見つからない場合は基礎年金番号がわかるものでも可) ・戸籍謄本または死亡診断書コピー ・届出人の本人確認書類・印鑑 |
| なぜ急ぐか | 届出が遅れると年金が過払いになり、後から全額返還を求められます。特に偶数月に2か月分まとめて振り込まれる厚生年金・老齢年金は過払い額が大きくなりやすい |
②未支給年金の請求(時効5年)
亡くなった方が受け取るはずだった年金のうち、まだ支払われていない分(未支給年金)は生計を一にしていた遺族が請求できます。
請求できる遺族の優先順位:配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹→その他3親等内の親族
受け取れる期間:最後に振り込まれた月の翌月〜死亡月分(年金は後払い2か月分まとめのため、死亡した場合に「まだ振り込まれていない分」が発生する)
注意点:未支給年金は受取人の「固有の請求権」であり、相続財産には含まれません(受け取った場合は一時所得として所得税の対象)。時効は5年。
請求できる遺族の優先順位:配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹→その他3親等内の親族
受け取れる期間:最後に振り込まれた月の翌月〜死亡月分(年金は後払い2か月分まとめのため、死亡した場合に「まだ振り込まれていない分」が発生する)
注意点:未支給年金は受取人の「固有の請求権」であり、相続財産には含まれません(受け取った場合は一時所得として所得税の対象)。時効は5年。
③遺族年金の請求(時効5年)
📋 遺族年金の種類と受給要件の概要
| 遺族基礎年金 |
受給対象:18歳未満の子(障がいのある場合は20歳未満)がいる配偶者または子 支給元:国民年金(基礎年金) ポイント:子がいない配偶者には支給されない(この点で遺族厚生年金と異なる) |
|---|---|
| 遺族厚生年金 |
受給対象:会社員・公務員として厚生年金に加入していた方が亡くなった場合の遺族(配偶者・子・父母等) 支給元:厚生年金 ポイント:子のいない妻でも受給できる。受給できる遺族の範囲が広い |
| 請求先・ 必要書類 |
年金事務所(または街角の年金相談センター) ・亡くなった方と請求者の戸籍謄本 ・死亡診断書コピー ・年金手帳 ・世帯全員の住民票 ・請求者の銀行口座情報等(事前に年金事務所に確認を) |
⚠️ 遺族年金は「自動的には支給されません」。必ず年金事務所に請求手続きが必要です。時効は原則5年のため、気づいたら早めに手続きしてください。
【健康保険の手続き】資格喪失・葬祭費の申請
健康保険の手続きは、亡くなった方が「国民健康保険(国保)」「後期高齢者医療保険」「会社の健康保険(被用者保険)」のどれに加入していたかによって窓口と手続き内容が変わります。
| 加入していた保険 | 資格喪失届の窓口 | 葬祭費等の給付 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 (国保) |
市区町村の国保年金課 (または特別出張所) |
葬祭費:東京23区は7万円(他地域は異なる)。国保給付係に申請。時効2年 |
| 後期高齢者 医療保険 |
市区町村の後期高齢者医療担当窓口 (または特別出張所) |
葬祭費:東京23区は7万円。時効2年 |
| 会社の健康保険 (協会けんぽ等) |
勤務先を通じて協会けんぽまたは健保組合に届出 | 埋葬料(5万円)または埋葬費として実費相当額。協会けんぽに請求。時効2年 |
葬祭費申請に必要なものの目安(国保・後期高齢):
・被保険者証(保険証・資格確認書等)の返還
・葬儀を行ったことを証明する書類(葬儀社の領収書等)
・喪主(申請者)の振込先口座
・申請者の本人確認書類・印鑑
※市区町村によって求められる書類が異なるため、事前に窓口に確認することを推奨
・被保険者証(保険証・資格確認書等)の返還
・葬儀を行ったことを証明する書類(葬儀社の領収書等)
・喪主(申請者)の振込先口座
・申請者の本人確認書類・印鑑
※市区町村によって求められる書類が異なるため、事前に窓口に確認することを推奨
💡 「高額療養費の還付」も忘れずに確認してください:
亡くなる前の入院・治療で高額な医療費がかかっていた場合、高額療養費の還付申請ができる場合があります(時効2年)。国保の場合は市区町村の窓口、被用者保険の場合は勤務先または保険組合に確認してください。
亡くなる前の入院・治療で高額な医療費がかかっていた場合、高額療養費の還付申請ができる場合があります(時効2年)。国保の場合は市区町村の窓口、被用者保険の場合は勤務先または保険組合に確認してください。
【介護保険の手続き】資格喪失・保険料の精算
📋 介護保険の手続き
| 資格喪失届の 提出先 |
市区町村の介護保険担当窓口 (または特別出張所・地域包括支援センター) |
|---|---|
| 返還するもの | 介護保険被保険者証(65歳以上の方) |
| 保険料の精算 |
介護保険料は死亡月まで発生する(月割り計算)。 ・第1号被保険者(65歳以上):死亡後に市区町村から精算通知が届く。過払い分は還付される ・口座振替が止まった後に精算書が届く場合もある |
| 介護サービス の打ち切り |
利用中の介護サービス(ヘルパー・デイサービス等)に死亡の連絡をして利用停止の手続きをとる。ケアマネジャーにも連絡する |
【生命保険の手続き】死亡保険金の請求方法
生命保険の死亡保険金は自動的には支払われません。受取人が保険会社に請求することで初めて受け取ることができます。
保険会社が特定できている場合の手順
① 保険証券を確認して保険会社の連絡先・証券番号・死亡保険金の受取人を確認する
② 保険会社のコールセンター(または担当代理店)に「被保険者が亡くなった」旨を連絡する
③ 保険会社から送られてくる請求書類に必要事項を記入・書類を添付して返送する
④ 審査後に受取人の口座に死亡保険金が振り込まれる(目安:書類提出から5〜15営業日程度)
② 保険会社のコールセンター(または担当代理店)に「被保険者が亡くなった」旨を連絡する
③ 保険会社から送られてくる請求書類に必要事項を記入・書類を添付して返送する
④ 審査後に受取人の口座に死亡保険金が振り込まれる(目安:書類提出から5〜15営業日程度)
必要書類の一般的な例
- 保険会社所定の死亡保険金請求書
- 死亡診断書(コピー不可・原本を使用するため事前に複数枚取得が必要)
- 被保険者の戸籍謄本(または法定相続情報一覧図)
- 受取人の本人確認書類・印鑑証明書・振込先口座情報
- 保険証券(紛失した場合は再発行可能)
加入している保険会社が不明な場合
✅ 「生命保険契約照会制度」(生命保険協会)を活用してください:
相続人等が申請することで、全生命保険会社に一括して「この方が保険に加入していたかどうか」を照会できる制度です。手数料:1件3,000円。申請から2〜3か月で回答が届きます。保険証券が見つからない・どこの会社か不明な場合に特に有効です。生命保険協会の公式サイトから申請できます。
相続人等が申請することで、全生命保険会社に一括して「この方が保険に加入していたかどうか」を照会できる制度です。手数料:1件3,000円。申請から2〜3か月で回答が届きます。保険証券が見つからない・どこの会社か不明な場合に特に有効です。生命保険協会の公式サイトから申請できます。
⚠️ 「受取人が指定されている死亡保険金」は相続財産に含まれません。
死亡保険金の受取人が特定の遺族(配偶者・子等)に指定されている場合、その保険金は受取人の固有の財産であり遺産分割の対象になりません。ただし相続税の計算上は「みなし相続財産」として加算されることがある点には注意が必要です(非課税枠:500万円×法定相続人数)。
死亡保険金の受取人が特定の遺族(配偶者・子等)に指定されている場合、その保険金は受取人の固有の財産であり遺産分割の対象になりません。ただし相続税の計算上は「みなし相続財産」として加算されることがある点には注意が必要です(非課税枠:500万円×法定相続人数)。
【マイナンバーカード・各種証明書の返還】
| 返還・手続きが必要なもの | 返還先・手続き先 |
|---|---|
| マイナンバーカード |
死亡届提出と同時または後日に市区町村の窓口に返納 (または死亡届提出時に職権で廃止処理される自治体もある) |
| 健康保険証 (資格確認書) |
市区町村の国保窓口または勤務先・健保組合に返還 |
| 介護保険被保険者証 | 市区町村の介護保険担当窓口に返還 |
| 障害者手帳 (身体・療育・精神) |
市区町村の障害福祉担当窓口に返還 |
| パスポート | 原則として返納義務なし(死亡により自動失効)だが、窓口に返納することも可能 |
| 運転免許証 | 返納義務はないが、警察署・交番・運転免許センターに返納可能 |
【住民票・世帯主変更の手続き】
📋 住民票関係の手続き
| 世帯主変更届 |
死亡した方が世帯主だった場合、14日以内に市区町村の窓口に届出が必要。 ただし残りの世帯員が1人だけの場合や、誰が世帯主になるか明らかな場合は届出不要な自治体もある(確認推奨) |
|---|---|
| 住民票の除票 |
死亡届が受理されると自動的に住民票から除票される。 「除票」は相続手続き(銀行・法務局等)で「亡くなった方の住所・氏名の証明」として使用することがある |
| 住民票の 取得方法 |
・市区町村窓口または特別出張所 ・マイナンバーカードを使ったコンビニ交付(除票は非対応の場合あり) ・郵送申請 |
よくある「うっかり忘れ」手続き一覧
主要な手続きに気を取られて見落としやすい手続きをまとめます。
| 手続き | 概要・期限 | 手続き先 |
|---|---|---|
| NHK受信料の 解約・精算 |
死亡により解約可能。過払い分は日割りで還付。放置すると請求が続く | NHKカスタマーセンター |
| 電気・ガス・水道 の名義変更または解約 |
空き家になる場合は解約または停止。継続する場合は名義変更手続き | 各事業者のカスタマーセンター |
| 固定電話・ 携帯電話の解約 |
継続利用しない場合は解約。基本料金が発生し続けるため早めに対応を | 各通信会社 |
| 郵便物の転送届 | 実家宛の郵便物を代表者の住所に転送(最大1年・無料) | 郵便局(窓口またはオンライン) |
| 高額療養費の 還付申請 |
入院・治療で高額医療費がかかっていた場合。時効2年 | 国保窓口または健保組合 |
| 心身障がい者 福祉手当の停止 |
受給中だった場合は速やかに返還手続きを | 市区町村の障害福祉担当 |
| 公共料金・定期購入 等の引き落とし停止 |
銀行口座凍結前に変更。凍結後は引き落とし不能になる | 各業者・クレジット会社 |
| バイク・自動車の 廃車・名義変更 |
原動機付自転車は市区町村・自動車は陸運局で手続き | 市区町村または陸運局 |
「おくやみコーナー」の活用:効率化のポイント
全国の多くの市区町村で、死亡後の行政手続きをまとめて案内・処理できる「おくやみコーナー(おくやみ窓口)」の設置が進んでいます。
おくやみコーナーで対応できる主な手続き:
・健康保険資格喪失届
・介護保険資格喪失届・被保険者証の返還
・世帯主変更届
・マイナンバーカードの返納
・葬祭費の申請
・各種給付の停止・清算手続き
・必要な証明書類の取得案内
※ 窓口の内容は市区町村によって異なる。予約制の自治体が増えているため事前確認を推奨
・健康保険資格喪失届
・介護保険資格喪失届・被保険者証の返還
・世帯主変更届
・マイナンバーカードの返納
・葬祭費の申請
・各種給付の停止・清算手続き
・必要な証明書類の取得案内
※ 窓口の内容は市区町村によって異なる。予約制の自治体が増えているため事前確認を推奨
✅ おくやみコーナーを使うメリット:
複数の窓口をたらい回しにされることなく、1か所でまとめて案内・処理してもらえるため時間と労力が大幅に節約できます。死亡届を提出する際に「おくやみコーナーはありますか?予約が必要ですか?」と聞いてみてください。
複数の窓口をたらい回しにされることなく、1か所でまとめて案内・処理してもらえるため時間と労力が大幅に節約できます。死亡届を提出する際に「おくやみコーナーはありますか?予約が必要ですか?」と聞いてみてください。
よくある疑問(Q&A)
Q. 年金の受給停止が遅れてしまいました。過払い分はどうなりますか?
過払いになった年金は全額返還が求められます。日本年金機構から返還通知が届きますので、指定された方法で返還手続きを行ってください。被相続人の口座にすでに振り込まれている場合は、その口座から返還することが可能な場合があります(口座凍結前であれば)。気づいたら早めに年金事務所に連絡してください。
Q. 親が複数の保険に入っていたようですが、証券が見つかりません。どうすればいいですか?
まず通帳の摘要欄・郵便物・クレジットカード明細に「保険料」の記録がないか確認してください。それでも特定できない場合は「生命保険契約照会制度」(生命保険協会)を利用してください。全生命保険会社への一括照会が1件3,000円の手数料で可能です。損害保険については一般社団法人日本損害保険協会の相談窓口にお問い合わせください。
Q. 葬祭費(7万円)の申請を忘れていました。まだ申請できますか?
葬儀を行った日の翌日から2年以内であれば申請できます。時効(2年)を過ぎていなければ今すぐ市区町村の国保年金課または後期高齢者医療担当窓口に申請してください。葬儀の領収書や喪主(申請者)の振込先口座情報を準備していけばスムーズです。
Q. 死亡診断書の原本が手元になくなりました。再発行できますか?
死亡診断書の原本は市区町村に提出すると返却されません。ただし「死亡診断書(死亡届書)の謄本」は本籍地の市区町村に申請することで取得できる場合があります(「死亡の記載のある戸籍謄本」でも代替できる手続きが多い)。また作成した医師・病院・施設に「死亡診断書の写し(コピー)」を保有している場合もあるため確認してみてください。事前に複数枚コピーしておくことが最善の対策です。
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