期限迫る!とうとう来年?不動産名義変更は今からでも間に合う?相続登記の期限(2026年対応)
いちばん大事な結論からお伝えします。相続登記(不動産の名義変更)は、基本的に 「相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内」 に申請する必要があります。さらに、遺産分割で「誰が不動産を取るか」を決めた場合は、 「遺産分割が成立した日から3年以内」 に、その内容を反映した登記も必要になります。
そして、2024年4月1日より前の相続で名義が変わっていない不動産も、義務化の対象です。 2027年3月31日 までに相続登記をする必要がある、という案内が公的にも示されています。 「来年って本当?」「今からでも間に合う?」という不安は、段取りを切れば間に合う可能性が十分あります。 この記事では、最短ルートで整理します。
1. 「来年が期限」っていつの話?まず日付を確定しよう
「相続登記、来年が期限って聞いたけど本当?」というご相談が増えています。 ここで混乱しやすいのは、“いつの相続か”で期限の見え方が変わる点です。
→ 原則:「知った日」から3年以内に相続登記
→ 目安:2027年3月31日までに相続登記(経過措置)
→ 遺産分割成立の日から3年以内に、その内容で登記
ポイント:まずは紙に「①亡くなった日」「②不動産を相続する立場だと分かった日(目安でOK)」「③遺産分割が成立した日(成立していれば)」を書き出すだけで、期限計算の迷いが一気に減ります。
2. 相続登記の期限は「3年」:起算点をやさしく整理
相続登記の基本ルールはシンプルで、 相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内 です。ここで言う「知った日」は、感覚としては次の3点が揃ったあたり、と考えると整理しやすいです。
- 亡くなったことを知った
- 自分が相続人(もしくは遺言で取得する人)だと分かった
- 相続財産に不動産があると分かった
遺産分割があると「もうひとつの3年」が出てきます
相続人が複数いると、「誰が家を相続するか」を遺産分割協議で決めることが多いです。 この場合、遺産分割が成立した日から3年以内に、 その合意内容を反映した登記が必要になります。
注意:遺産分割がまとまるまで何もしないと、3年が先に来てしまうことがあります。 「協議が長引きそう」と感じた段階で、後述する“つなぎ手段”を検討しておくと安全です。
3. 過去の相続(昔の未登記)はどうなる?経過措置の考え方
「祖父名義のまま」「何十年も前に亡くなっているのに名義変更していない」 こうした不動産も、相続登記の義務化の対象です。
特に大事なのは、2024年4月1日より前に相続が発生している不動産でも、 未登記のままなら義務化の対象になり、2027年3月31日までに相続登記が必要 と案内されている点です(経過措置)。
つまり「来年が期限」という話は、“過去の相続の未登記が残っている人”にとって、現実味がある締切です。 2026年の今から動くなら、まず戸籍と不動産の特定を最優先にすると、時間を無駄にしにくいです。
4. 期限を過ぎるとどうなる?過料(10万円以下)と現実的なリスク
相続登記の義務を、正当な理由なく期限までに行わない場合、 10万円以下の過料の対象となり得ます。 ここでいう「過料」は、いわゆる刑事罰(罰金)とは性質が異なりますが、 放置のデメリットが小さいという意味ではありません。
実務上、いちばん怖いのは「雪だるま式に難しくなる」こと
- 次の相続が発生し、相続人が増えて署名押印の調整が大変になる
- 売却・賃貸・リフォーム・解体などが進まず、空き家管理が長期化する
- 共有状態が固定化し、意思決定が止まる(「誰も責任を持てない」状態)
行政書士の実務目線のリスク: 登記そのものは司法書士の領域ですが、相続全体の書類整理(戸籍・遺産分割協議書・委任状など)の詰まりが原因で、 “登記ができない状態”が長引くケースが少なくありません。 早めに「詰まり箇所」を特定するだけでも、間に合う確率が上がります。
5. 間に合わない時の現実的な対処:2つの“つなぎ手段”
「相続人が連絡不通」「遺産分割がまとまらない」「戸籍が多すぎる」など、 期限内に“最終形”の登記が難しいことは、実際によくあります。 そのときに現実的な選択肢が2つあります。
対処①:相続人申告登記(まず“期限対応”をする)
相続人申告登記は、遺産分割が整っていなくても、 「自分が相続人である」ことを法務局に申し出て登記に反映する制度です。 「とにかく期限に間に合わせたい」「でも協議が終わらない」というときの、実務上とても重要な“つなぎ”になります。
- できること:期限対応(義務を果たした扱いになりやすい)/相続関係の前進
- できないこと:不動産を売る・担保に入れる等の実務は、結局“本登記”が必要になりやすい
つまり、相続人申告登記は「時間を買う制度」です。 その後、遺産分割が成立したら、成立日から3年以内に分割内容を反映した登記が必要になります。
対処②:法定相続分でいったん登記 → 後で更正(変更)
もうひとつは、遺産分割が未了でも、 法定相続分で共有登記を先に入れておく方法です。 その後、話し合いがまとまったら更正(変更)登記で最終形にします。
- 向いている:相続人が協力的/共有でも大きな支障が少ない
- 注意点:共有は意思決定が重くなりやすい(売却等で全員同意が必要)/登記が2回になり費用・手間が増えることがある
迷ったときのコツ: 「売る予定がある」「活用する予定がある」なら、最終的に必要なのは“本登記”です。 まずは期限を守る(つなぎ)→協議を進める→本登記という順番で考えると、焦りが減ります。
6. 今から間に合わせる段取り:7日でやること/30日でやること
「何から始める?」で止まってしまう方が多いので、期間で区切って整理します。 完璧を目指すより、“手戻りしない順番”で進めるのがコツです。
最初の7日:まず“材料”を揃える(ここが勝負)
次の30日:協議の土台を作り、登記ルートを決める
- 相続人を確定(戸籍が揃ったら相続関係説明図の作成)
- 不動産の評価や権利関係を確認(抵当権・共有・借地権など)
- 遺産分割協議を進める(揉めそうなら論点整理を先に)
- 期限が厳しい場合は、相続人申告登記など“つなぎ”を入れるか判断
ここでの重要ポイント: 「協議がまとまってから動く」ではなく、 “協議と並行して、期限対応の選択肢を用意する” と、間に合う確率が上がります。
7. よく詰まるポイント:相続人が多い・連絡不通・名義が祖父母のまま
詰まり①:相続人が多い(兄弟姉妹相続/代襲が重なる)
相続人が増えるほど、署名押印・印鑑証明・連絡調整が一気に重くなります。 このタイプは、期限が先に来やすいので、“つなぎ手段”を早めに入れる価値が高いです。
詰まり②:相続人が連絡不通・協力しない
連絡不通がいると、遺産分割協議書が完成しないため、本登記が止まりやすいです。 まずは「戸籍での住所確認」「附票の確認」など、事実の整理から入り、期限が迫るなら 相続人申告登記で時間を確保するのが現実的な場面があります。
詰まり③:名義が祖父母のまま(数次相続の可能性)
「父が亡くなったのに名義は祖父のまま」という場合、祖父→父→あなた…のように 複数回の相続が連鎖している可能性があります。 ここは自己判断で進めるほど遠回りになりやすいので、早い段階で全体像(相続関係と不動産の一覧)を作るのがおすすめです。
8. 「自分でやる」か「専門家に任せる」か:判断の目安
相続登記は「自分でやる」ことも不可能ではありません。 ただし、期限が絡む今は、“詰まったときのリカバリー”まで見越して判断するのが安全です。
自分で進めやすい目安
- 相続人が少なく、連絡がスムーズ
- 遺言が明確、または遺産分割が揉めていない
- 不動産の名義が被相続人本人で、権利関係が単純
- 期限まで時間がある(または“つなぎ手段”を理解している)
早めに相談した方が安全なサイン
- 期限が迫っている(特に過去相続の未登記が多い)
- 相続人が多い/連絡不通がいる/協力しない人がいる
- 名義が祖父母のまま、相続が複数回ありそう
- 不動産を売却・賃貸したい(登記が遅れると計画が止まりやすい)
補足: 私たちは行政書士法人として、相続全体の書類設計(戸籍収集の段取り、遺産分割協議書・委任状・各種証明書の整理など)を実務目線で支えつつ、 登記は提携司法書士、相続税は提携税理士と連携して「止まらない進行」を作ることができます。 期限が絡むときほど、“横断的に整理できる窓口”があると安心です。
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