相続した暗号資産(仮想通貨)を見つける方法:口座・鍵・申告の注意
結論:相続した暗号資産(仮想通貨)を見つけるコツは、「口座(取引所)」「鍵(ウォレット)」「記録(税金)」の3つを同時に探すことです。
- 取引所(口座)は「メール・SMS・本人確認・入出金履歴」から見つかることが多いです。
- ウォレット(鍵)は「シードフレーズ(12〜24語)や秘密鍵」が命綱。見つからないと復旧できないことがあります。
- 申告(税金)は「相続税(死亡日時点の評価)」と「所得税(売却や分配等)」が別。準確定申告の要否も早めに確認します。
※焦ってログインや送金を試すと、ロック・凍結・二段階認証の再設定で時間が伸びることがあります。まずは“証拠と手がかり”を集める順番で進めると安心です。
- まず最初に:暗号資産は「勝手に動かさない」が鉄則
- 見つけ方①:取引所口座を探す(メール/SMS/入出金)
- 見つけ方②:海外取引所・アプリの手がかり(英語メール等)
- 見つけ方③:ウォレットと鍵(シードフレーズ/秘密鍵/端末)
- 口座が見つかった後:取引所の相続手続きの流れ(代表相続人)
- 鍵が分からない・端末が開かない:できること/難しいこと
- 税金①:相続税の評価(死亡日時点の価格が基本)
- 税金②:準確定申告と、売却後の所得税(計算の注意)
- 申告でつまずきやすい取引:ステーキング/DeFi/エアドロ
- 失敗しないチェックリスト12 + 関連記事(内部リンク)
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1. まず最初に:暗号資産は「勝手に動かさない」が鉄則
暗号資産は、「IDとパスワード」だけでなく「二段階認証(認証アプリ)」や「鍵(シードフレーズ)」が絡みます。相続が始まった直後に慌てて操作すると、次のようなリスクが出やすいです。
- ログイン試行の繰り返しでロック(解除に本人確認が必要になり、時間がかかる)
- 二段階認証の端末が見つからず詰まる(認証アプリが故人のスマホにしかない等)
- 送金してしまい、後で説明が難しくなる(相続人間の不信・税務の説明が複雑に)
最初の安全確保(できる範囲でOK)
- 故人のスマホ・PC・タブレットを保全(初期化や機種変更は一旦ストップ)
- メール(Gmail等)・SMSが見られる状態を確保(ロック解除は無理しない)
- 紙のメモ・ノート・金庫・書類箱を「探す場所」として確保
2. 見つけ方①:取引所口座を探す(メール/SMS/入出金)
暗号資産が「取引所(販売所)」にある場合、手がかりは生活の中の通知として残っていることが多いです。
(A)メールで探す:キーワード検索が早い
故人のメールが見られる場合、検索窓で次の語句を順に試します。
- bitFlyer Coincheck GMOコイン SBI VC
- 暗号資産 仮想通貨 ログイン 二段階認証
- 本人確認 KYC 認証 審査
- 出金 入金 送金 取引報告
(B)SMS・通知で探す:二段階認証の痕跡が出る
取引所のログインや出金はSMS通知が来ることがあります。「認証コード」「ワンタイム」「OTP」などの文言を探します。
(C)通帳・明細で探す:入金元/引落先がヒント
銀行口座の履歴に、取引所への入金(振込)や引落が残っていることがあります。明細に取引所名が出ない場合もあるので、不自然な少額〜中額の振込先も控えておくと後で照合できます。
注意:「取引所の名前が分かった=ログインして確認」は、いったん立ち止まってOKです。まずは口座がありそうな事業者名のリストを作り、相続窓口へ順番に確認していく方が、ロック事故を避けやすいです。
3. 見つけ方②:海外取引所・アプリの手がかり(英語メール等)
海外取引所や海外アプリを使っていた場合、通知が英語になっていることもあります。次のキーワードも試してみてください。
- crypto exchange wallet withdraw
- verification KYC 2FA OTP
- seed phrase private key recovery
また、国内サービスかどうかの目安として、暗号資産交換業者は登録制です。故人が使っていた事業者が登録業者かどうかは、金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」で確認できます(国内業者を特定する手がかりにもなります)。
“国内取引所っぽい”特徴
- 本人確認の案内が日本語で、マイナンバー等の提出を求められている
- 入出金が日本円の銀行振込中心
- 金融庁の登録一覧に社名がある(同名でも類似名に注意)
4. 見つけ方③:ウォレットと鍵(シードフレーズ/秘密鍵/端末)
暗号資産が「個人ウォレット」にある場合、取引所とは違い、“鍵がなければ誰も動かせない”のが基本です。ここを最初に理解しておくと、探し方がブレません。
(A)よくある保管パターン
| 保管場所 | 見つけ方の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| スマホのウォレットアプリ (例:MetaMask等) |
アプリ一覧/“ウォレット”で検索/ブラウザ拡張の痕跡 | ログインより先に、シードフレーズの所在も探す |
| ハードウェアウォレット (USBのような端末) |
金庫・引き出し・ガジェット箱・旅行ポーチ | 端末だけでは足りないことが多い(PINや復元語が必要) |
| 紙 (シードフレーズのメモ) |
ノート/封筒/名刺入れ/手帳/保険証券の間 | 写真撮影や共有は慎重に(漏えいすると盗難リスク) |
| パスワード管理アプリ | 1Password/Googleパスワード等の保管庫 | “鍵そのもの”ではなく、鍵の保管場所メモが出ることも |
(B)シードフレーズ(12〜24語)の扱いは超重要
シードフレーズ/秘密鍵は、暗号資産の“本体”に近い情報です。
見つけた場合でも、むやみに写真に撮って共有したり、ネットで検索したり、入力サイトに貼り付けたりするのは避けましょう(フィッシング被害の原因になります)。
5. 口座が見つかった後:取引所の相続手続きの流れ(代表相続人)
取引所口座があると分かったら、基本は「相続窓口へ連絡 → 必要書類の案内 → 資産の移管」の流れです。多くの取引所が、相続専用の問い合わせ導線を用意しています。
(A)典型的な流れ(イメージ)
- 代表相続人(窓口役)が取引所へ連絡
- 取引所から必要書類(戸籍・本人確認・遺言/協議書等)の案内が届く
- 書類提出 → 取引所で審査
- 被相続人の口座から相続人の口座へ資産移管(日本円・暗号資産をそのまま移す扱いの案内もあります)
- 手続き完了後、口座閉鎖等の連絡
例:取引所の案内(要点)
- bitFlyer:相続専用フォームから連絡し、必要書類の案内を受けて手続きを進める/資産は相続人の口座へ移管する旨の案内があります。
- Coincheck:相続人が問い合わせフォームから連絡し、案内に沿って書類提出する流れの説明があります。
- GMOコイン:相続人から連絡し、担当部署が手続きを案内する旨の説明があります。
※必要書類や形式は各社で違うので、最初は「手続き案内一式」を取り寄せるのが確実です。
6. 鍵が分からない・端末が開かない:できること/難しいこと
暗号資産の相続で一番つらいのが、「あるはずなのに動かせない」状態です。ここは、できることと限界を分けて考えると、無駄な遠回りが減ります。
(A)できること(現実的に効く順)
- パスワード管理アプリ/メモ帳/手帳に「復元語の保管場所」が書かれていないか探す
- PCのブラウザ拡張(ウォレット)・認証アプリの有無を確認
- 取引所の場合は、ログインにこだわらず相続窓口へ連絡して手続きを進める
- 税理士・司法書士等と連携し、相続人・遺言・協議書を先に整える(手続きが進む土台になります)
(B)難しいこと(期待しすぎない方がよい)
ウォレットの鍵(シードフレーズ/秘密鍵)が見つからない場合、復旧できないことがあります。
「どこかに問い合わせれば復元できる」タイプの資産ではないことが多いので、まずは鍵の手がかりの探索に集中するのが現実的です。
なお、他人のアカウントへ不正にアクセスする行為につながる方法は避け、手続きは合法的な範囲で進めましょう。
7. 税金①:相続税の評価(死亡日時点の価格が基本)
暗号資産は「財産」ですので、相続税の対象になり得ます。評価は少し独特ですが、考え方はシンプルです。
(A)評価の基本
国税庁の整理では、活発な市場が存在する暗号資産について、相続人等が取引している暗号資産交換業者が公表する課税時期(相続の場合は死亡時点)の取引価格によって評価する旨が示されています。
(B)まず押さえる順番
- ① どの暗号資産を、どれだけ持っていたか(数量)
- ② 死亡時点の評価(取引所の価格をベースに)
- ③ ほかの相続財産と合算して、相続税がかかるか判定
ポイント:「暗号資産の評価」と「売却益の税金」は別の話です。相続税の評価は死亡時点、売却益の税金は“売ったとき”に問題になります。
8. 税金②:準確定申告と、売却後の所得税(計算の注意)
(A)準確定申告(亡くなるまでの所得):期限は「4か月」
故人に申告が必要な所得があった場合、相続人が準確定申告を行います。期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」です。
暗号資産で準確定申告が問題になりやすい例
- 生前に暗号資産を売買して利益が出ていた(雑所得が発生)
- マイニング/ステーキング等で暗号資産を取得していた(取得時点の時価が収入になり得る)
- エアドロップ等の受領があり、所得整理が必要
(B)相続後に売ったらどうなる?:売却益は原則「所得税」の対象
相続人が暗号資産を売った場合、その売却による損益は所得税の計算対象になります。暗号資産の損益計算は、国税庁が計算書(総平均法・移動平均法)を公開しており、評価方法の届出の考え方も示されています。
ここが落とし穴:税金計算に必要なのは「いくらで買ったか(取得価額)」と「いつ・いくらで売ったか(譲渡価額)」です。
取引履歴が散らばっていると計算が難しくなるため、取引所の履歴・CSV・メール通知を早めに確保しておくと安心です。
9. 申告でつまずきやすい取引:ステーキング/DeFi/エアドロ
近年は「ただ買って売る」だけでなく、運用や報酬が絡むケースが増えています。相続では、“生前に何をしていたか”が分からないと申告整理が難しくなりがちです。
(A)生前の取引を推定するヒント
- 取引所の「入出金履歴」に、見慣れないアドレス宛の送金がある(ウォレット移動やDeFiの可能性)
- メールに staking earn reward airdrop の文言がある
- ブラウザ履歴にDeFiサイト(DEX等)の痕跡がある
(B)税務上は「取得した時点の時価」が問題になりやすい
国税庁の整理では、マイニング・ステーキング・レンディング等により暗号資産を取得した場合、取得時点の価額(時価)が所得の計算上の収入になり得る旨が示されています。
「相続で初めて知った」という場合でも、生前分は準確定申告の対象になり得るため、状況に応じて整理が必要です。
10. 失敗しないチェックリスト12 + 関連記事(内部リンク)
(A)まずはこの12個をチェック
- □ 故人のメールで取引所名を検索した(国内+英語)
- □ SMSで「認証コード」系の通知を確認した
- □ 銀行明細に取引所っぽい振込/入金がないか見た
- □ スマホの認証アプリ(Google Authenticator等)の有無を見た
- □ “シードフレーズ”の紙メモ・ノート・金庫を探した
- □ ハードウェアウォレット(USB状の端末)がないか探した
- □ 見つけた鍵は撮影・共有を控え、保管を優先した
- □ 取引所はログインより先に相続窓口へ連絡する方針を検討した
- □ 相続税の評価(死亡時点)を出すための数量・口座情報を控えた
- □ 準確定申告(4か月)に暗号資産の所得が関係しないか確認した
- □ 相続後に売却する場合の計算に備え、取引履歴を確保した
- □ 不明点は「相続」と「税務」を分けて専門家へ相談する準備をした
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