国民健康保険・後期高齢者医療の手続き|葬祭費・高額療養費の請求まで

結論:ご家族が亡くなった後の国民健康保険(国保)・後期高齢者医療は、まず「資格喪失(保険証等の返却)」を整え、次に葬祭費(5万円が目安)、最後に高額療養費(払い過ぎ医療費の戻り)へ進むと抜け漏れが減ります。

このページでは、法律や制度に詳しくない方でも迷わないように、必要書類手続きの順番よくあるつまずきを、実務目線で整理します。

※金額や窓口の運用は自治体で差があります。この記事は「横浜市+神奈川県後期高齢者医療広域連合」の公表情報をベースに、他地域でも通用する考え方でまとめています。

まず確認:国保?後期?「どっちの手続きか」で迷わない

亡くなった方が入っていた医療保険が「国保」か「後期高齢者医療」かで、窓口や書類が少し変わります。 ただし、流れ(資格喪失→葬祭費→高額療養費)はほぼ同じです。

ざっくり判定(目安)

  • 国民健康保険(国保):主に74歳以下で、会社の健康保険に入っていない方
  • 後期高齢者医療:主に75歳以上(または一定の障害がある65~74歳で申請している方)

迷うときは、手元の「資格確認書(旧保険証)」の表記で判断できます。分からなければ区役所の保険年金課に電話で確認が最短です。

全体の流れ(結局、何からやる?)

STEP やること ポイント(つまずき回避)
1 国保/後期の資格喪失(資格確認書の返却、家族の保険切替) 「亡くなった方の住所地」の区役所が基本。家族の保険(扶養・国保加入)も同時に確認
2 葬祭費の申請(喪主が5万円を受け取る) 2年で時効の自治体が多い。領収書・会葬礼状など「喪主確認」がカギ
3 高額療養費の申請(払い過ぎ医療費の戻り) 案内が郵送で来る運用が多い。死亡後は「相続人が申請」になることがあり、戸籍等が必要
4 (必要に応じて)高額介護合算療養費・療養費・医療費通知の整理 医療と介護が混ざると複雑化。迷ったら窓口で「死亡後の給付の一覧」を出してもらう

コツ:区役所では「手続き名を全部覚えて行く」より、“死亡後の医療保険の手続き(国保・後期)をまとめて確認したい”と伝える方が早いです。

STEP1:国保・後期の「資格喪失」手続き(返却・切替)

亡くなった方が国保・後期に加入していた場合、資格確認書(旧保険証)は「使える状態」のままだと誤受診や請求トラブルの原因になります。 まずは資格喪失(返却・停止)を確実に行います。

ここで一緒に確認しておくとラクなこと

  • 同居家族が「扶養」だった場合:会社の健康保険へ切替が必要になることがあります
  • 世帯全体が国保だった場合:世帯主変更や保険料の変更が出ることがあります
  • 医療費の支払い:入院費の精算・未払いがある場合は、次の高額療養費とセットで考えます

※受付や必要書類は自治体で差があります。まずは「亡くなった方の住所地の区役所(保険年金課)」が基本です。

STEP2:葬祭費(5万円の請求)|誰がもらえる?期限は?

葬祭費は、亡くなった方の医療保険から「葬儀を行った方(基本は喪主)」に支給される給付です。 横浜市の国保では5万円、後期高齢者医療でも5万円の案内です。

国保(横浜市)の葬祭費:押さえるポイント

  • 支給額:5万円
  • 申請者:葬祭を行った方(喪主)
  • 申請先:亡くなった方の住所地の区役所保険年金課(「申請者の住所地」ではない点に注意)
  • 期限:葬祭を行ってから2年で時効
  • 注意:以前の健康保険(会社の保険)から埋葬料が出るケースもあるため、死亡前の加入状況を確認

後期高齢者医療(横浜市・神奈川県広域連合)の葬祭費:押さえるポイント

  • 支給額:5万円
  • 申請者:葬祭を行った方(喪主)
  • 申請先:亡くなった方の住所地の市(区)町村の後期高齢担当窓口
  • 期限:葬祭を行った日の翌日から2年で時効
  • 火葬のみ等でも支給対象とする運用がある(必要書類は窓口確認が確実)

「喪主確認」が最大のつまずきポイント

葬祭費は「遺産」ではなく「葬祭を行った人への給付」なので、窓口は“喪主であることが分かる書類”を求めることが多いです。
例:葬儀の領収書・請求書・会葬礼状・火葬費の領収書など(自治体の案内に合わせて用意)。

STEP3:高額療養費(払い過ぎ医療費)|死亡後でも請求できる?

高額療養費は、1か月(原則:月初〜月末)の医療費自己負担が一定額を超えたとき、超えた分が戻る制度です。
ここで大事なのは、亡くなった後でも「戻る分」が発生していることがある点です。 特に、入院・手術・抗がん剤治療などがあった場合は要確認です。

国保(横浜市)の高額療養費:申請の流れ(ざっくり)

  • 対象になった場合、通常は受診月の翌々月(例:4月→6月)の下旬に「申請書」が届く運用
  • 届いた申請書に記入して返送(郵送)
  • 申請後の振込は、状況により1~2か月程度かかる案内がある

※横浜市のFAQでは「受診月の2か月後の20日頃に申請書を送付」との案内もあります。時期は前後するため「届かない=対象外」と決めつけず、窓口確認が安全です。

後期高齢者医療の高額療養費:死亡後の申請で増える書類

後期高齢者医療では、案内(申請書)が送られてくる運用があり、相続人が申請する場合は追加書類が必要になることがあります。
例:申請者の本人確認、相続人であることの証明(戸籍等)、振込先通帳、印鑑など(同世帯なら省略できる場合あり)。

実務のコツ:高額療養費は「請求のタイミング」がズレやすい

  • 入退院が月をまたぐと、計算が月ごとになり「戻り」が分かりにくい
  • 医療機関の請求が遅れると、案内(申請書)の到着も遅れることがある
  • 死亡後は、郵便物が止まってしまい「案内が届かない」ことがある(転送設定・郵便物の管理が重要)

迷ったら、区役所で「死亡後の給付(葬祭費・高額療養費)の対象がないか」を確認すると、抜け漏れを防げます。

よくある差戻し:書類が足りない/名義が違う/申請者が違う

役所手続きが止まる原因は、難しい法律よりも「書類の整合性」です。よくある差戻しを先に知っておくと、一発で通りやすくなります。

差戻しが多いポイント

  1. 喪主の確認ができない:葬儀の領収書・会葬礼状などが用意できていない
  2. 振込口座が申請者と一致しない:本人以外の口座に振込希望で「委任」や印鑑が必要になる
  3. 死亡後の高額療養費で“相続人証明”が不足:戸籍の不足、続柄が分からない、同世帯要件の勘違い
  4. 住所地の窓口が違う:申請者の区役所に行ってしまう(原則は「亡くなった方の住所地」)

実務メモ:医療保険の給付は「遺産分割が終わるまで動けない」ものばかりではありません。
ただし、相続人が複数の場合は、後から揉めないように申請書・振込通知・入金履歴をひとまとめに保管しておくのが安全です。

チェックリスト:役所に行く前に用意するとラクなもの

まずこれ(共通)

  • 亡くなった方の資格確認書(旧保険証)※返却が必要なことが多い
  • 死亡の事実が分かる書類(死亡届控え・死亡診断書コピー等)※窓口で求められる場合
  • 申請者の本人確認書類
  • 振込先口座が分かるもの(通帳など)
  • 印鑑(朱肉を使うものが求められる場面があります)

葬祭費(喪主確認)でよく必要になるもの

  • 葬儀の領収書・請求書・会葬礼状など(喪主の氏名が分かるもの)
  • 火葬費の領収書、火葬・埋葬を証明する書類(必要な場合)

高額療養費(死亡後)で追加になりやすいもの

  • 相続人であることを示す書類(戸籍の写し等)※同世帯なら省略できる場合があります
  • 申請書(郵送で届く場合が多い)

※「どの書類が必要か」は自治体・世帯状況で変わります。まず窓口で必要書類を確定させるのが最短です。

Q&A:期限・誰が申請?口座は?相続放棄したら?

Q1. 葬祭費はいつまでに申請すればいい?

横浜市の案内では、国保も後期も原則2年で時効とされています。葬儀が落ち着いたら早めに動くのが安全です。

Q2. 葬祭費は「相続人」がもらうの?

葬祭費は「葬祭を行った方(喪主)」への給付として案内されることが多く、相続人かどうかとは別の扱いになりがちです。 だからこそ、喪主確認書類が重要になります。

Q3. 高額療養費の申請書が届かない。対象外?

「届かない=対象外」とは限りません。請求のタイミング、郵便物管理、医療機関の請求遅れなどで遅れることがあります。 受診月から時間が経っているのに不安な場合は、区役所の保険年金課へ「高額療養費の対象がないか」を確認するのが確実です。

Q4. 高額療養費は死亡後、誰が申請する?

後期高齢者医療では、相続人等が申請する場合の必要書類が案内されています(本人確認、相続人証明など)。 国保でも、死亡後の状況により追加書類が求められることがあります。迷ったら窓口で「死亡後の申請」の扱いを確認しましょう。

Q5. 相続放棄した場合でも、高額療養費や葬祭費は受け取れる?

ここは個別判断が必要です。制度上の給付の位置づけ(「遺産に当たるか」「受領者が誰か」)が論点になり得ます。 相続放棄を検討している場合は、放棄前に“受け取ってよい給付/避けるべき受領”を整理するのが安全です。

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