相続の「まず最初にやること」完全版:死亡後24時間〜1か月の行動表

死亡後の手続きは、やることが一気に押し寄せます。だからこそ最初は、 「全部やる」ではなく「止まると困る順 × 期限順」で整理すると進めやすくなります。

この記事では、死亡後24時間〜1か月に絞って、 「今やる理由」「やらないと何が困るか」まで含めて行動表にしました。 まずはこの1か月を乗り切れば、相続はぐっと落ち着きます。

※制度や必要書類は自治体・加入制度・金融機関で異なります。ここでは「迷いが減る順番」を優先して整理しています。
※紛争(相続人間の対立)性が強い場合は、手続きと争いの整理を切り分けて、早めに専門家へ相談するのが安全です。


0. まず最初に:この1か月で「絶対に外せない3つ」

この3つが揃うと、相続が“前に進みやすく”なります

①窓口(代表者) 連絡係を1人決める(役所・銀行・親族・専門家の窓口を一本化)

②期限 3か月(放棄)/4か月(準確定)/10か月(相続税)をカレンダーに書く

③共有ルール 書類の置き場(共有フォルダ)と、進捗共有の頻度(週1など)を決める

重要な注意点:
「相続放棄を検討している可能性がある」なら、早い段階で遺産に手を付ける行為がリスクになる場面があります。
迷うときは、先に“判断のための情報集め”を優先し、動かす前に専門家へ相談すると安心です。


1. 死亡後24時間:慌てるほどミスが出る“最優先”チェック

24時間は、相続というより「生活と葬儀の安全確保」が中心です。相続は後からでもできますが、 このタイミングでしか揃えにくいものがあります。

やること
  • 死亡診断書(または死体検案書)を必ず複数コピー(後で何度も使います)
  • 葬儀社・親族への連絡(まずは最小限でOK)
  • 自宅の安全確保(施錠、貴重品の保管、郵便物の管理)
  • ペット・冷蔵庫・生もの等の対応(生活トラブルの芽を早めに潰す)
この段階のコツ 「手続き」を完璧にやるより、“失くすと詰まるもの(診断書・通帳・保険証券・スマホ)を1箱に集める”のが最優先です。
この1箱が、後から効きます(探し物の時間が激減)

入れるもの 死亡診断書コピー/通帳・キャッシュカード/保険証券/年金の通知/固定資産税の通知(あれば)/スマホ(可能なら充電器も)/印鑑(見つかる範囲で)


2. 24〜72時間:役所・葬儀・支払いの“止まると困る”を先に固める

ここからは「お金の流れ」と「役所の入口」を整える時間です。相続人全員の合意がなくても進められるものが多いので、 先に生活インフラを安定させると安心感が出ます。

24〜72時間で“優先度が高い”タスク
  • 葬儀費用の支払い方法の整理(誰が立替える/領収書の保管ルール)
  • 引落し一覧を作る(家賃、施設費、公共料金、クレカ、スマホ、サブスク)
  • 近しい親族・同居家族で「代表者(窓口)」を決める
  • 会社・勤務先・関係先への連絡(必要な範囲)

立替えで揉めないコツ:
立替えた人が損をしないように、領収書を必ず残し、メモ(誰が・いつ・何を)をセットにします。
「曖昧な立替え」が後で不信感(使途不明金)に繋がることがあるため、最初にルール化しておくのがおすすめです。


3. 3〜7日:役所の手続き・連絡・書類の“土台づくり”

1週間以内は、役所での手続きが中心です。自治体や加入制度で違いはありますが、目安として 「死亡届(多くは7日以内)」など期限があるものがあります。

役所でまとめて相談するとラクなテーマ
  • 保険(国保・後期高齢・扶養切替など)
  • 年金(受給停止・未支給年金・遺族年金の相談)
  • 葬祭費・埋葬料など(制度により名称や要件が違います)
  • 世帯関連(必要な場合の世帯主変更など)

コツ:窓口で「死亡後の手続き一覧をください」と伝えると、抜け漏れが減ります。

この週に“やっておくと後が早い”こと
  • 親族に「連絡係(代表者)」を共有(質問窓口を一本化)
  • 書類を写真で共有(戸籍・銀行・不動産・税金のフォルダを作る)
  • 遺言書の有無を探す(見つかったら保管方法に注意)

4. 1〜2週間:相続のスタートライン(戸籍・財産の当たり付け)

1〜2週間目でやるべきことは、難しい計算ではありません。まずは 「誰が相続人か」「何が財産か」を“ざっくり見える化”します。

戸籍(相続人の確定)
  • 亡くなった方の出生〜死亡までの戸籍を揃える(これが土台)
  • 相続人側の戸籍・住民票・印鑑証明が必要になる場面を確認
  • 相続人が多い・複雑そうなら、早めに「法定相続情報」も検討
財産(棚卸し)
  • 預貯金(銀行・ゆうちょ・ネット銀行も含む)
  • 不動産(自宅、空き家、土地)
  • 保険(死亡保険金、共済)
  • 有価証券(株・投信)
  • 借金・保証(ローン、督促、保証人、未払金)
この段階のゴール 「相続人の候補一覧」と「財産の当たり付けメモ」ができればOK。評価や分け方はこの後で大丈夫です。

行政書士法人としてのリスク注意:
「相続放棄の可能性」が少しでもある場合、遺産の処分・名義変更・使い込みに見える動きはリスクになり得ます。
迷うときは、まず“情報を集める(調査)”を優先し、判断が固まる前に大きく動かないのが安全です。


5. 2〜4週間:家族会議と、期限モノ(3か月・4か月・10か月)の準備

ここからは、家族が疲れてくる時期でもあります。だからこそ会議は長くやらず、 「決める順番」を固定すると揉めにくいです。

家族会議の“決める順番”(この順がラクです)
  1. 代表者(窓口)と共有ルール(週1の進捗共有/書類置き場)
  2. 期限がある手続き(3か月・4か月・10か月)をカレンダー化
  3. 財産の全体像(ざっくりでOK)
  4. 不動産をどうするか(売る/貸す/持つ)“方向性だけ”先に
  5. 遺産分割が必要か(遺言の有無・相続人の状況で分岐)
期限モノの“早期準備”チェック(この1か月でやること)
  • 3か月:相続放棄を検討する可能性があるなら、早めに判断材料(借金・保証・財産)を集める
  • 4か月:準確定申告が必要になりそうか、収入(事業・不動産・株の売買など)を当たり付ける
  • 10か月:相続税が心配なら、ざっくりでいいので財産を一覧化(特に不動産・株・保険)
  • 不動産:相続登記(名義変更)の期限も意識(放置で難易度が上がりやすい)

6. よくある失敗:1か月で詰まりやすいポイントと回避策

失敗①:連絡窓口がバラバラで、話が二転三転

親族が善意で動くほど、情報が散らばって混乱します。
回避策:窓口(代表者)を1人にして、重要連絡は共有(LINE/メモ)を徹底します。

失敗②:立替え・引出しが“説明不足”で不信感に

後から「使途不明金?」と疑われるのは、手続きの能力の問題ではなく、証拠(領収書・メモ)がないことが原因になりがちです。
回避策:立替えは必ず領収書+メモ、家族に共有してから動くルールにします。

失敗③:戸籍と財産の棚卸しを後回しにして、期限で焦る

「落ち着いてからやろう」と思うほど、3か月・4か月があっという間に来ます。
回避策:この1か月でやるのは、“集める”と“見える化”まで。分け方は後でOKです。

こんなときは早めの相談が安全です:
相続人が多い/未成年・認知症・海外在住がいる/相続人が連絡不通/借金が心配/不動産が複雑(共有・空き家・未登記など)。
“頑張れば何とかなる”より、制度上つまずくポイントを先に潰す方が、結果的に早く・安く済むことがあります。


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